多摩丘陵から都心を一望する、『よみうりランド眺望温泉 花景の湯』。よみうりランドの隣内に、花と緑に囲まれた、新たな癒やしのスポットがオープン

株式会社よみうりランドが、東京・稲城市の多摩丘陵に位置するよみうりランドに隣接するフラワーパーク内に、温泉施設「よみうりランド眺望温泉 花景の湯」をオープンしました。フラワーパーク「HANA・BIYORI」を散策しながら抜けると、木立のなかから建物が現れます。

多摩丘陵上に展開するフラワーパークHANA・BIYORI内の展望台跡を建設地として、2階建の建物を配置。標高100メートルの丘陵からの眺望が楽しめる露天風呂や、内湯・サウナ・岩盤浴を備え、こだわりの食とリラクゼーションを提供する温泉施設となっています。設計は玉岡設計、施工は淺沼組・YSS建設共同企業体(JV)で担当しました。


露天風呂からは、周辺の緑豊かな景色と、昼夜で表情を変える都心の眺望が広がっています。

施工中の現場を上から眺めた様子

淺沼組で施工を担当した、現場責任者の吉田秀教は、

「計画にあたり、設計の段階から周辺の環境を十分に調査されていて、主要な樹木は移植され、できるだけ自然環境を残すような建物の配置が考えられていました。着工時も多くの樹木が残るなかで、どの位置に建物が建つのか、建物からどのような景色が見えるのかを想像しながら、周辺環境を整備し、工事を進めました。伐採が必要な樹木を慎重に選び、重機にぶつかる可能性のある微妙な位置の樹木はできるだけ残すよう心掛けました」と、話します。

現場責任者 吉田秀教

完成後。建物の内外には周辺の環境とつながるスペースが各所に設えられ、自然の心地よさを感じる空間を創出しています。

建築の特徴となるのは、屋根の形状が2段となる錣(しころ)屋根。

「鉄骨造で屋根の構成を行うのは、設計上も複雑ですが、施工においても多くの苦労がありました。下地が鉄骨で、いろいろな角度の勾配が重なりあっているため、構造設計の担当者と相談しながら現場の溶接箇所を増やしたり、接続するための角度を調整したりするなど知恵を出し合うことで、その形を実現することができました」

「一番苦労したのは、1階天井裏の配管作業でした。設備の配管量が多く、表には出てこないところですが、どう収まりをつけるかは重要なポイントです。ここが進まないと2階の水廻りの作業に進めず、工事の進捗にも影響をあたえるところ。施設が、温泉・サウナ・岩盤浴とさまざまな機能を持つだけに非常に苦労した部分ですが、無事に完工することができて嬉しく思っています。温泉施設のため、耐水性能も含めて高品質な素材を使い、お客様が触れるところには無垢の檜を取り入れるなど、自然を感じられるものを用いています。都心に近く、館内には充実したリラクゼーションの場所や、仕事もできるようなワークスペースもありますので、ぜひ、思い思いの時間を過ごしていただければと思います」 

内風呂には、男女ともにオートロウリュサウナを設置
有料の岩盤浴エリア「火窯房」。さまざまな温度の岩盤浴や高温サウナ・ミストサウナなどが楽しめる
休憩ラウンジにはリクライニングやワークスペースがあり、さまざまな用途に合わせて利用できる

名称:よみうりランド眺望温泉 花景の湯
所在地:東京都稲城市矢野口4015-1新感覚フラワーパーク「HANA・BIYORI」内
事業主・運営:株式会社よみうりランド
設計・監理:株式会社玉岡設計
施 工:淺沼組・YSS建設共同企業体
建 築 面 積:4,626.66m²
延べ床面積:5,556.06 m²
構造:S造
工期:2022年9月1日〜2024年2月6日

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