淺沼組名古屋支店が日本建築学会選奨を受賞・作品選集2024に掲載されました。

一般社団法人日本建築学会が2024年3月に刊行した「作品選集2024」に淺沼組名古屋支店が掲載され、作品選集掲載作品のうちに特に優れた作品に与えられる「日本建築学会作品選奨」を受賞しました。

日本建築学会作品選集について
作品選集の刊行は、1989年に始まり、日本における建築作品の発表の場として、国内外より高い評価を受けており、本会の最も重要な事業のひとつとなっております。作品選集掲載作品のうちから特に優れた作品が「作品選奨」として表彰されます。建築に関する総合的な観点から高い水準を有する建築作品を広く募集し、選考の結果、採択された作品の概要を毎年1回刊行される「建築雑誌増刊 作品選集」に掲載して、会員に紹介することにより、優れた建築作品の発表の場を作り、これらの作品の記録に役立てるとともに、会員の制作活動の向上に資することを目的としています。

選考評:
建設に関わる環境負荷低減は業界全体にとって喫緊の課題であり、さまざまな試行や技術開発が行われているが、建設に関わる人々やクライアント、利用者の理解、関心が高まらないのは、これらが目に見え、実感できる空間に昇華しきれていないことも一因なのではないかと思う。本作品は、このような社会状況を打開する契機になるのではないかと期待を抱かせてくれるものである。

本作品は名古屋市に位置する淺沼組名古屋支店の自社ビルを環境配慮型・循環型にリニューアルする試行実験的なプロジェクトであり、建設会社と建築家が協働し、高いデザイン性とユーザー参加型の施工を試みた、極めて意欲的な作品である。特に、建設から解体・ 廃棄までの一方向的な流れの中にある建築を、「循環」の中に位置付けられないか、という問いに対し、淺沼組技術研究所と建築家が取り組んだ、多岐にわたるマテリアルアップサイクルへの試みが興味深い。そのひとつとして、建設残土の再資源化に挑んでいる。12tもの残土を社員総出でふるい分けし、土壁やブロックといった建築材料として、またソファやテーブルといった家具素材として再利用し、さらには将来これらが再々資源化できるように、不純物を混ぜ込まないで強度を確保することに挑んでいる。土壁の施工には多くの社員が参加したとのことだが、自らの手で土を塗ることで、社員一人ひとりがアップサイクルの仕組みを知るとともに、完成した土壁に愛着を持ち、自分ごととしてこのプロジェクトの意義を説明するようになるだろう。単に環境配慮型リニューアルを実施した、ということだけではない、このプロジェクトのプロセス自体も評価に値するものである。(中略)

本当の意味において、建築が「循環」の中に位置付けられるには相当な時間がかかるであろう。しかし、まず一歩踏み出したことに敬意を表するとともに、その技術開発がデザインとともに進んでいく未来を指し示した本作品は、高く評価できるものである。よって、ここに日本建築学会作品選奨を贈るものである。(日本建築学会ホームページ記載)

名古屋支店改修プロジェクトは、「建築を都市の循環の中に位置づけることは可能か」という問いに対し、地球環境や人にとって本当に必要な素材や、施工方法はなにかと考え、試行錯誤を重ねながら、さまざまなデザイナー・協力会社の皆さまと協力して実現することができました。
淺沼組は、今後も、地球環境に配慮した材料や工法の開発、サービスの提供に努め、関係者の皆さまと想いを共に「人間にも地球にも良い循環を生む」建設に努めていきたいと思います。

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